第八回 電源ボタン不良
目次
1.電源ボタンが壊れた時のさまざまな症状
2.電源ボタンがダメなままでも使い続けられる?
3.故障が起こる原因は?
4.電源ボタンパーツはこんなつくりをしているぞ
5.電源ボタン修理の手順
6.こぼれ話 複合パーツの電源ボタン
こんばんは。スマートまっくす原宿竹下通り店 蒲倉でございます。
今回のテーマに入る前に、前回のテーマ「型番の探し方」について、
原宿竹下通り店店長・久保田からのツッコミが入りましたので補足させて頂きます。
・SIMスロットの中に紙が入ってることがあるでしょ?
これ、完全に忘れていました。
SIMスロットやSDカードスロットを開けると、ベロが出ていることがあり、
それをつまんで引っ張ると、型番・IMEIなどの端末情報が出てくるのです。
SONY Xperia Z4 402SO
softbank端末は外装に型番記載がないのですが、
ベロを引っ張ればこの通り。
というわけで大事な補足情報でした。
それでは今回の本題へ参りましょう。
1.電源ボタンが壊れた時のさまざまな症状
androidの面白さといえば、
端末のバラエティ豊かなところと、カスタマイズ性。
ホーム画面をテーマでまるごと着せ替えたり、おサイフケータイで手ぶら外出したり、キーボード付き、カーブした液晶、外付けモジュールと合体してパワーアップなどなど、おもしろ端末をあれこれ探す楽しみがあります。
が、電源が入らなければ、どれも宝の持ち腐れ。
電源を入れるのに必要な操作はどの端末でも変わりません。
バッテリーに充電して、電源ボタンを数秒間長押し。
端末が振動し、画面にメーカーやキャリアのロゴが表示されるはず。
FREETEL 麗(REI) FJT161B-REI
……が、ずっと電源ボタンを押しているのに、全く画面が点きません。
充電プラグを挿し込むと、ちゃんとランプが点灯し、充電中の表示が出てくるのに……。
そういえば、ボタンを押したときの手ごたえも、
今までは「ポチッ」だったのに、やけにスカスカしています。
電源が入らない!
Google/LGエレクトロニクス nexus5
というわけで、今回のテーマ、「電源ボタン不良」です。
上に書いたのが典型的な電源ボタン故障時の症状ですが、他にも、
・バイブが延々鳴り続ける
・起動時ロゴから先に進まない
・起動→電源が落ちる→起動、を繰り返す(いわゆる再起動ループ状態)
などなど、基板不良を疑いたくなる症状が出ることもあります。
2.電源ボタンがダメなままでも使い続けられる?
電源ボタン不良は、電源やスリープ状態のON/OFF切り替えができないだけで、機能上の問題はありません。
多少の不便をガマンすれば使い続けることもできます。
・放置してもスリープ状態にならないように設定を変更する。
・端末を握ればスリープが解除されるようにする。
・画面を数回タップするとスリープをON/OFFできる機能を使う。
・充電開始するとスリープが解除されることを利用する。
・他の端末から電話をかけ、画面点灯させる。
などなど。
けっこう手段があるものですね。
ですが、気を付けてください。
これらはどれも、スリープ状態からの復帰方法です。
電源が落ちてしまえば、センサーも充電も意味がなくなってしまいます。
例えば、バッテリー残量がゼロになったとか……。
Google/LGエレクトロニクス nexus5
上に挙げた対策は、あくまで修理に出すまでの応急処置と考えたほうがよいでしょう。
3.故障が起こる原因は?
この故障が起こる原因としては、機種ごとの弱点が一番大きいものです。
AQUOS PHONE ZETA SH-01Fの電源ボタン不良は有名ですね。
もちろん、使い方も壊れやすさに関わってくるでしょうが、
電源ボタンに負担をかけるような使い方……力任せに押し込む、などは、そもそも電源ボタンの調子がよくないからしてしまうもので、故障を加速させる可能性はありますが、それが原因とは言いづらいです。
落下などの強い衝撃で動かなくなることもあります。
この場合は、電源ボタンを押す仕組みの一部が内部でズレた・折れた、
電源ボタンと基板を繋ぐコネクタが外れた、などが考えられます。
4.電源ボタンパーツはこんなつくりをしているぞ
外側からポチッと押すボタン部分は、氷山の一角。
スマホの中ではいったいどんな姿をしているのでしょうか?
ASUS Zenfone2 ZE551ML
本体上部に電源ボタンがついており、
背面カバーを開くと、ボタン本体がちらっと見えます。
ここから更に分解してみましょう。
基板に電源ボタンが直接はんだ付けされていました。
かなりシンプルな造りですが、実はこの構造はスマホ全体から見ると珍しいものです。
ASUS Zenfone3 ZE520KL
黒いケーブルの上に、銀色のポッチが三つ並んでいます。
一番左が電源、真ん中と右はそれぞれボリュームダウン・ボリュームアップで、枝分かれしている四角いところで基板と接続します。
電源ボタンのパーツは、
・ボタン(外から見えているところ)
・フレキケーブル(ポッチや、基板と接続するコネクタがまとまっている)
で分かれていることが多く、外側のボタンがポロッと取れてしまった時は、つまようじで押せば普通に使えたりします。
5.電源ボタン修理の手順
フレキケーブルのポッチが潰れてしまっている場合などは、部品交換が必須となります。
富士通 arrows M02
ズレた部品を正しい位置へ戻す、取れたクッションを切り出して貼り付け直す、などの調整のみで直る場合も多く、どちらの修理方法になるかは、端末ごとに傾向があります。
機種名と症状(ボタンを押した時の手応えはあるか、きっかけは何だったか、など)によっては、お電話でのお問合せ段階でだいたい予想がつくことも。
6.こぼれ話 複合パーツの電源ボタン
電源ボタン部品は、機種によっては他のパーツと合体しています。
たとえばこの端末。
SONY Xperia Z4 SO-03G
外装ボタンの裏側に、こんな位置関係でフレキケーブルが納まっています。
金色のポッチが、それぞれ電源ボタンとボリュームアップ・ダウンボタン。
カメラボタンは弱・強と二段階の押し込みのため、他と見た目が違います。
このケーブル、全体を見るとこんな形です。
写真左側の大きな四角い部分は、ちょうどこの下あたりにあるスピーカーを押さえるパーツです。
では、そこからさらに伸びている部分は……?
USBコネクタでした!
Xperia Z4は電源ボタンとUSBコネクタが一体化しています。
Xperia系の電源ケーブルは、複合的な役割を持つケースが多いです。
端末の内部構造をスッキリさせるためでしょう。
というわけで、電源ボタン不良についてでした。
症状は「電源を入れられない」と重篤なものですが、
修理に持ち込んでみると案外あっさり直ることも多い故障です。
困ったら、とりあえずお問合せ頂ければ、すぐにご対応致しますよ。
それでは、また次回の更新をお楽しみに!